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展覧會が開かれれば長蛇の列、老若男女を問わず今や最も人気がある江戸時代の絵師?伊藤若沖(1716~1800)「奇想の畫家」と呼ばれ、生き物の世界を空前絶後のテクニックで描いた絵は、驚異的なまでにカラフルで細密、この世の楽園のような鮮烈な魅力に満ちている。「千載具眼の徒を俟つ(せんざいぐがんのとをまつ)」(千年後に理解されればいい)などとカッコいい言葉を殘したこともあって、今まで若沖=孤高の偏屈というイメージが強かった。しかし史実をひもとくと、18世紀?京の都に生きた若沖のまわりには、ビジュアルも言葉も刺激的な美意識高い系の男たちが群がり、彼らとの密で濃い交流なくして若沖の天才は目覚めなかった。路上で茶をたてる謎の仙人?売茶翁、山登り大好きアウトドア派畫家?池大雅と愛妻?玉瀾、貧しい農家出身ながらセレブ禦用達の畫家に上り詰める円山応挙、そして、若沖終生の最高の理解者であり、名プロデューサーでもあった美しき僧侶?大典。若沖と大典は初めて會った時から強くひかれあい、深い心の絆で結ばれた。生きとし生けるものの壯大な宇宙を描いた、若沖の最高傑作「動植綵絵(どうしょくさいえ)」(全30幅)は、美の極致を求める2人の旅路の果て、愛と絆の結晶だったのだ!? 謎に包まれた天才の実像を初めて本格的にドラマ化、綿密な考証と大膽な仮説に基づき、アートなエンターテインメントとして世に問う問題作!

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